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オーケストラ曲が出来るながれ

  • 執筆者の写真: Tasuku Odaka
    Tasuku Odaka
  • 2016年6月28日
  • 読了時間: 5分

ここではオリジナル曲【THIS IS THE DAY】を参考に、オーケストラ曲を作る流れを説明していきます。

①ピアノで作曲

 まずは身近な楽器で曲の全体の流れを掴みます。テーマを意識し、メロディーはなるべく覚えやすく弾きやすいものにします。

鼻歌やギターで作る方もいますが、楽器の多い曲はピアノが一番作曲しやすいでしょう。

*いきなり打ち込みから作る事も出来ますが、演奏不可能な曲になる可能性もあります。最低限ピアノで弾けるレベルの曲が望ましいでしょう。

*また、ピアノも器用な楽器ではあるので、ピアノで簡単に弾けても弦や金管では難しいというのもよくあります。極力シンプルに。

*シャープやフラットが多いい曲は楽器によっては演奏が難しいです。CメジャーやFメジャー、Gメジャースケールあたりがおちつくでしょう。

*あまり深く考えずに!

②打ち込み【Cubase】

 ここから本格的な作曲になっていきます。僕が使っているのはCubase pro 8というわりとメジャーな音楽ソフトウェアで、有名な作曲家(ハンスジマー、中田ヤスタカなど)も愛用しているソフトです。

 MIDI音源を使い、打ち込み作業をします。まずはピアノで作ったメロディー、ベースライン、コードなどを打ち込んでいきます。順番は特に決まっていませんが、僕はオーケストラの場合だいたい弦、金管、木管、打楽器、ピアノ類、シンセ音、の順に音を決めていきます。

 全体のバランスを考えつつ、それぞれの楽器の弾きやすさに気を付けて音を重ねていきます。あまり難しすぎると弾けないし、簡単すぎると逆に演奏しててつまらないです。全部のパートに存在意義を与えるように、それぞれの楽器に見せ場を作ります。そうする事で聞いている方も演奏している方も楽しめます。

*一番最初の山場です。曲の全体像がここで決まります。

*サンプルのMIDI音源を使い、実際の演奏をイメージしながら作業を進めます。

*楽器が多いのでトラックを色や名前でしっかり区別しましょう。

③楽譜制作(総譜)【Musescore】

 次に楽譜を制作します。ここで使うのは無料の楽譜制作ソフトMusescoreです。Cubaseにも楽譜制作機能はついていますが、musescoreの方が細かい作業が出来ます。

 Cubaseで打ち込んだ曲のMIDI情報を書き出し、Musescoreにペーストします。ただこのソフトはペーストしただけでは蓮符や付点がごちゃごちゃになるので、一つ一つ手作業で直していきます。一通り奇麗にまとまったら強弱記号、発想記号、奏法記号などを順に付け足していきます。

*二番目の山場です。気が遠くなる作業ですが、一つ一つ丁寧に。

*後で何度も読み返す物なので、一目で曲の位置がわかるように小節の間隔を調整して、キリのいいところでページが変わるようにしましょう。

④楽譜制作(パート譜)

 総譜(スコア)を完成させてから、続いてパート譜を作成します。パート譜は小節休みなどが多い楽器は入るポイントの前に陰譜を挿入し、キューを出します。総譜をもとに強弱記号を加えていきましょう。

 演奏する人の事を考え、見やすい楽譜を作ります。

⑤練習

 一番大事なプロセスです。自分が演奏できない楽器は無理なメロディーを書いてしまう事もあります。演奏する人と話し合ってそれぞれの楽器の特徴を生かしつつ、自分の頭のなかのメロディーと折り合いを付け、楽譜を書き直すタイミングでもあります。

⑥レコーディング

 今回はコンデンサーマイクを二本使い、ステレオ録音をしました。

この曲は20以上の楽器があるのですが、ほぼ全ての楽器を個別に収録していきます。

*なるべく広く、音の跳ね返りが少ない環境(コンサートホール)などの環境が理想的です。後でミックス時にリバーブなどを使い空間の広さを演出する事も出来ますが、生の『空間音』を録音する方がいい音になります。

*マイクの位置にも気を付けましょう。遠くに配置する予定の楽器(トランペットなど)は録音の際も離れて録音します。

*相当の量の音楽データを作成する事になるので、うまく管理しておきましょう。

*あとで音を重ねる楽器(弦楽器、管楽器など)は必ず二回以上レコーディングします。同じメロディーでもレコードごとに音が変わります。微妙に違う音が重なる事で立体感が出ます。 音を重ねたものをミックス用に書き出します。

⑦ミックス

 いよいよ佳境!!! 

 最後の山場です。再びCubaseの出番です。最初に作ったMIDI音源を、レコードした生の音に差し替えます。

 レコーディングファイルから書き出された音源をここで一つにまとめていきます。

 MIDI制作の行程と同じようにトラックを色分けしておきましょう。

*オートメーションを利用して、微妙な音量の調整をします。

*細かいピッチやタイミングのずれも編集しておきます。

*やり過ぎると生の音を殺してしまうので注意!

*コントラバスやチューバなどの低音楽器は実際の位置をまねてパンで音像を配置すると、実際に聞いていて落ち着かなくなります。このような低音楽器の音像は中心に持って来くると落ち着きます。

*EQを使い、それぞれの楽器の味が出る音域をほんの少し持ち上げ、人間の耳には聞こえない周波数の低いところと高いところをカットしていきます。

 単体ではクリアに聞こえても、音が重なると、少しのノイズでも増幅されて雑音になってしまいます。

 整った物を書き出してそしてついに・・・・・・

完成!

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